むし歯予防や歯の健康の保持は、口腔内の健康にとどまらず、糖尿病や心疾患などの生活習慣病予防にもつながる重要な取組です。とりわけ、幼少期からのフッ化物洗口は、むし歯予防に高い効果があると実証されています。市における歯の健康づくりの現状と今後の取組について伺いました。
(1)むし歯予防、歯の健康づくりに関する市の取組について。
A 市では、集団健診方式で実施している乳幼児健診において、むし歯予防の取り組みを行っている。始めに、歯が生え始めの時期となる1歳児健診において、子どもの歯を磨くときの基本姿勢である「寝かせ磨き」の習慣をつけていただくため、保護者に対して、歯科衛生士が実践を交えた説明を行っており、1歳8か月児健診、2歳6か月児歯科健診では、歯科衛生士の指導のもと、保護者による仕上げ磨きの実践を行っており、3歳6か月児健診では、永久歯で最も重要な第一大臼歯(6歳臼歯)のむし歯予防について、歯の模型を用いた磨き方の指導を行っている。
1歳8か月児健診、2歳6か月児歯科健診、3歳6か月児健診では、歯科医師による診察を実施するほか、希望者には、乳歯の歯質強化のためのフッ化物歯面塗布を行っている。
Q 成人期の取り組みについて
A 本市では、成人期の歯科口腔保健として、歯科疾患の早期発見と適切な保健指導等を行い、生涯を通じて口腔の健康及び生活の質の維持・向上を図ることを目的に、成人歯科健康診査を実施している。対象者につきましては、30歳、40歳、50歳、60歳、70歳の方に加え、令和6年度から新たに20歳の方も対象としている。
Q 成人歯科健康診査の受診率は必ずしも高い状況とは言えないのではないか。直近における成人歯科健康診査の受診率は。
A 成人歯科健康診査の受診率につきましては、令和5年度が9.2%、 令和6年度が9.0%、令和7年度が8.7%である。
Q 受診率が低い状況に関して、課題を検証する必要があると考える。成人歯科健康診査の課題と取り組みは。
A 健診の実施にあたり、未受診の方にはがきによる受診勧奨や、令和8年度からは受診期間をこれまでより3か月延長して6月から11月とするなど、受診の機会を増やせるよう取り組んでいる。
佐藤
単に受診を呼びかけるだけでなく、「受診しやすい環境づくり」も重要であると考えます。提案として、受診勧奨のはがきに、QRコードを活用することで、気軽に相談できる環境を整備してはいかがでしょうか。さらなる工夫により受診環境整備の充実を要望させていただきました。
(2)フッ化物洗口を活用したむし歯予防の取組について。
A 現在、市内の保育園において、フッ化物を用いた1分間の「洗口」を行っている園は民間保育園4園で、いずれも4・5歳児の希望者を対象に実施している。フッ化物は薬剤であることから、導入前には、厚生労働省の「フッ化物洗口マニュアル」等に基づき、洗口環境の整備や、保護者に対して説明を行う必要がある。
また、安全に洗口を行うためには、一人一人の園児が正しく洗口できているかの見守りと、薬剤の管理、洗口液の調製などが必要になり、担任だけでなく、応援の職員がクラスに入るなど、対応が必要となる。フッ化物洗口の導入にあたりましては、このような保育園側の体制や、保護者の理解等の課題もあるので、今後、公立保育園での導入に向けて、園医の意見も伺いながら、検討を進める。
Q 市内の小中学校で実施する際に課題となることは何でしょうか。今後の取り組みについて教育委員会の見解を。
A 学校での実施する際には、養護教諭の業務量が課題となる。養護教諭の日々の業務としましては、児童生徒の健康状況を把握すること、怪我や病気への突発的な対応を行うことなどがある。
他市においてフッ化物洗口の実施経験のある養護教諭からは、フッ化物洗口の準備の際に、突発的な対応が入ったことや児童生徒の観察をする時間が減少したという声も聞いている。教育委員会として、市内の虫歯保有率の動向を注視しつつ、学校におけるフッ化物洗口の取組について、引き続き研究する。
佐藤
フッ化物洗口は埼玉県からの予算があり、埼玉県歯科医師会が窓口となって開始から3年間、薬剤と器材の支援が受けられます。残念ながら4年目以降は薬剤の補助は無くなるが、一人当たり年間、140円程度の負担であり、費用対効果は非常に高いものと関係者より伺っています。継続してフッ化物洗口を行うことにより、むし歯の発症予防につながり、結果として歯科疾患の重症化を防ぐことが期待されます。また、口腔の健康を維持することは、将来的には糖尿病などの生活習慣病の予防につながります。
フッ化物洗口の継続的な実施は、児童生徒の健康増進に資するだけでなく、生涯にわたる医療費の軽減にもつながる重要な取り組みであると考えます。そこで、保育園等での取り組みを小中学校へとつなげ、切れ目のない口腔保健施策として推進していくことを期待いたします。





