令和元年6月定例会
一般質問（２）特別支援教育について

インクルーシブ教育とは、障がいのある子が持てる能力を伸ばし、障がいあるなしに関わらず共に活躍できる社会をつくる、その推進をはかることを目的としています。目的の達成には、多様性のある学びの確保、適切な教育環境を子ども達に提供できているかが問われます。適切な教育環境の中には、学校全体が障がいに対する理解・認識を高めることがキーポイントになる。

ア） 年々、特別な支援を必要とする子どもへの就学前からの支援体制の整備について伺います。本市の就学前からの特別支援教育、特別支援学級の現状についてどうなっているのでしょうか。

保育幼稚園室：特別支援保育につきましては、市内の保育園において０歳児から受け入れを行っており、現在、公立保育園７園に１７名、私立保育園３６園に２７名、合計４４名がいる。対象児童の障害の状況は、発達面で配慮が必要な児童は２９名、医療的配慮が必要な児童は１５名、保育士だけではなく、看護師とも連携している。
　個々の児童の状況については、保育や発達の専門家の協力を得て、巡回相談を実施、就学にあたっては、教育センターへの引継ぎや、小学校へ児童の成長の記録である「保育所児童保育要録」を送付する等切れ目のない支援となるよう連携を図っている。

教育委員会：特別支援学級は、小・中学校合わせて１８校中１３校に設置しており、特別支援学級に在籍する児童生徒は２０４名、その数は年々増加傾向にある。

佐藤：来年度に新曽中学校、令和3年度に戸田東小・中学校に設置予定と伺っている。設置と共に教員の育成も計画的に進めていただきたい。

イ） 特別支援教育のニーズの高まりに対して、特別支援学級を担当する教師の確保、スキルアップが課題になる。そこで、特別支援学級を担当する教師の研修等の状況を伺う。

教育委員会：県では、特別支援学級を初めて担当する教師を対象とした研修を実施している。これまで特別支援学級を指導してきた経験豊富な特別支援教育アドバイザーが各校を巡回し、担当教師に日常的に直接具体的なアドバイス、さらに、本市独自に民間企業において特別支援教育の知見を有する者を採用し、教育委員会に配置している。

佐藤：特別支援教育アドバイザーの役割とは。

教育委員会：特別支援教育アドバイザーは、市独自の取組として、現在、２名のアドバイザーが、特別支援学級の指導経験が少ない教師の学級を中心に巡回し、実際の授業を観察した上で、指導力向上のための具体的なアドバイスをしている。

佐藤：民間企業と連携した研修、ペアレントトレーニングはどのような内容か。

教育委員会：ペアレントトレーニングとは、子供の発達促進や行動改善を目的として、保護者が家庭での子供との関わり方を学ぶプログラムであり、保護者が子供に怒る回数が減るなどの効果が先行研究を通して実証されている。
　昨年度本市では、共同研究先の企業が開発した学校版ペアレントトレーニングプログラムの研修を受けた教師が講師となり、「子育て学習会」を市内７校で実施し、保護者５０名以上が参加しました。ここでは、「ほめ上手」「整え上手」「伝え上手」の３つのプログラムを実施し、それぞれ子供への具体的な声のかけ方、環境調整の仕方、物事の伝え方を学んだ。

佐藤：特別支援教育コーディネーターの役割、課題は何か。

教育委員会：特別別支援教育コーディネーターは、全小・中学校に各１名以上配置されており、学校内における特別支援教育に関わる調整役として、特別支援学級の担当教員や学級担任、スクールカウンセラー、保護者などとの様々な調整を行う役割を担っている。なお、特別支援教育コーディネーターは、専任の教師が配置されるわけではなく、担任などの業務を抱えながらその責任を負うことから、業務負担が全国的な課題となっている。

ウ） 本市の学校では通常学級と特別支援学級の交流状況はどうなっているのでしょうか。

教育委員会：個々の状況に応じて、通常学級の各教科等の授業や給食などに参加し、交流を行っている。交流の内容については、例えば、体育や図工・美術などの教科の学習や給食、掃除を通常学級の児童生徒と一緒に行っている。

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戸田市は、LITALICO（りたりこ）さんと提携して特別支援教育の質を高めるべく様々な取り組みを実施しています。教員の質は全国どこでも課題となっているところです。県が実施する特別支援教育教員向けの研修は、4月着任してから3～4か月後です。戸田市の強みは、市独自の特別支援教育アドバイザーからの指導が着任後すぐに受けられること、活かされるものであってほしいです。