1月の戸田市議会議員選挙を終え、3期目として初めての一般質問になります。
市の避難行動要支援者避難支援制度については、市内の方から、申請を検討していたが、担当課との話合いの結果、公助の取組に限界があることから受付を断念したとの声を伺っています。この制度における個別避難計画は、内閣府によると高齢者や障害者など自ら避難することが困難であり、避難の確保を図るため特に支援を要する方が対象となっています。「避難行動要支援者避難支援制度」、「福祉避難所」の現状と課題を伺い、様々な提案をしました。
Q 市における支援制度の現状は
A 年齢要件のみに該当する75歳以上の方10,634人などを含めた、令和6年4月1日現在の対象者数15,010人に対し、登録者数は令和7年2月1日現在309人。
Q ケアマネジャー等を活用した専門職による個別避難支援プランの作成を。
A 現在、本市では、福祉専門職が参画した形で個別避難計画を作成しておりませんが、参画いただくことで、より要支援者のニーズに寄り沿った個別避難計画が作成できると考える。先進自治体の事例などを参考にし、関係部局と連携しながらどのような形で福祉専門職に関わっていただけるのか調査研究する。
Q 名簿提供の在り方について
2011年東日本大震災の災害時は、要支援者名簿の情報提供について個人情報保護法の課題等があり、支援団体に提供するまでに時間がかかり、大きな課題が残った。名簿の情報提供について、令和4年9月に内閣府及び消防庁の通達により条例制定により必要な支援団体に個人情報の提供が可能となっている。近年、自主防災会も以前のようには、動けない状況がある中で、災害発生時に安否確認など支援してくださる団体への名簿の提供について市の考えを伺う。
A 災害対策基本法において、当該市町村の条例に特別の定めがある場合は、平時からの避難行動要支援者名簿の提供が可能と規定されている。名簿情報は、個人情報が含まれており、全国的に見ても条例を制定している例は少なく、近隣自治体でも現時点で制定しているところはない。今後は、事例を調査して、その必要性について研究する。
佐藤
令和2年4月1日時点で避難行動要支援者制度の対象者は12,838人、登録者は170名。それから4年が経過し、対象者15,010人に対し、登録者は令和7年2月1日現在309名、対象者の約2%になります。こうした登録者が少ないといった課題を残し、どのくらいの方が避難することを想定しているかの見通しが立たない状況の中で福祉避難所の運営を進めていくには大きな不安が残ります。
(2)福祉避難所について
福祉避難所は、高齢者や障害者、妊産婦、乳幼児など、避難所生活で何らかの特別な配慮を必要とするよう配慮者とその家族を受け入れ対象としています。市内の福祉避難所は、「福祉保健センター」「笹目コミュニティーセンター」「戸田かけはし高等特別支援学校」の3箇所あります。
Q 福祉避難所運営における課題は
A 福祉避難所の運営にあたりましては、一般避難所と比べて、様々な配慮が必要になってくると考えている。現状の課題として、例えば、備蓄品であれば、一般避難所との共通の毛布や防災用テントなどは一定程度備蓄しているものの、様々な事情をお持ちの方に特化した備蓄品などは十分に揃えることが難しいことや、非常用電源の確保についても、一般的に必要とされる72時間に対し現状では十分とは言えない状況であること、更には、地震発生時など避難者が集中した場合の受け入れ可能人数に限界があることなどが主な課題であると認識している。
Q 福祉避難所、各協定を締結した避難所、これらを合わせた収容人数はどのくらいでしょうか。
A 令和3年度に一人当たりの使用面積等の見直しを行った結果、指定福祉避難所3施設で112人、協定を締結した災害時に要配慮者を受け入れていただく施設が190人の、合計302人。
佐藤
現在の受け入れ範囲では、災害が起こってからでは混乱します。受け入れ条件について早めの協議、ご検討をお願いしたい。
Q 福祉避難所訓練について、職員に対する訓練だけでなく、今後当事者や関係者を含めた訓練を行っては。
A 関係部局と協力して、訓練の実施方法等を検討する。
Q 戸田市の防災に関する施策を進めるうえで、障害当事者が防災会議や避難所運営委員会などの委員に参画することは福祉防災の視点を担保するうえで重要と考えるが、いかがでしょうか。
A 施策を進めるうえで当事者の方々に、どのような形で参画いただくことが適切か、今後、調査研究する。
佐藤
市長は公約として3大プロジェクトの1つに「防災」を掲げている。誰一人取り残されない取り組みをお願いしました。市長からは、先進自治体の条例を調査すること、避難行動要支援者制度や福祉避難所に係る取り組みは、危機管理防災課のみならず全庁的、横断的に考えると答弁いただきました。
練馬区の避難行動要支援者への取組みは、避難行動要支援者名簿掲載者に書類をお送りしています。また、練馬区避難行動要支援者支援プラン、福祉避難所運営ガイドラインが作成されており、非常にわかりやすい内容となっています。戸田市は、数年経てば、職員は異動により担当が変わります。前の述べたようなガイドライン作成などによって、引継ぎがスムーズになれば、市全体として業務の効率化、職員の負担軽減につながるのでは。戸田市も練馬区と同じように制度の整備を進めていただけることを要望しました。市の今後の取り組みに期待します。
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